01 // 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28. // 03

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
trackback: -- | comment: --

モデルライフ 2011年1月8日号 vol.3 




この週はレイアウト造りと別系統で毎晩少しずつやってきて、金曜日の夜に一応完成した小プロジェクトがありました。

テーマは「夜汽車」です。

レイアウト・ルームとしてのD&GRN鉄道は照明を「月明かりの夜」に切り替えることができるようにしてあり、山間部のストラクチャーにはすでに照明を入れてあるものも数軒あり、狼の遠吠えのCDをBGMに、そこはかとない哀感が漂うようになっていますが、いままで、ある程度の長さの客列車で、その中を煌々とした窓明かりの列となって走り抜けていくものがありませんでした。

「鉄道ジャーナル」誌の取材でキャブ添乗した宗谷本線の急行「利尻」の、後方を振り返ると原野の中に付き従ってくる客車の窓明かりの列、内蒙古は熱水の旅舎の窓から眺めた、眼前の多段オメガ・カーヴを往きつ戻りつ登っていく、日に1本の旅客列車の長い長い光の帯‥こうした列車には乗客たちのさざめきが窓の外まで伝わってくるようでした。

一方、自分の乗った夜汽車では、呉線のC59、C62を写した日の夜、倉敷から翌朝布原の三重連を撮るために駅前の商人宿へ泊まる新見へ向かう伯備線の最終列車など、がらんとした客車の侘しげな明かりも何か文学的で、いまだに思い出に残っているものです。

「いよいよ夜汽車を用意しよう!」と決めた発端は1台の4-8-4,スポケーン・ポートランド・アンド・シアトル鉄道のE-1クラス。一昨年の暮れに無理算段して入手したものの、その後、手をつけることなく寝かせていたものでした。

どうして、大枚はたいて買ったものを手付かずそのまま寝かせているのか、と申しますと、真鍮製の機関車というのは、ほとんどのものが、製品そのままではD&GRNでは使えないからです。

それはメーカーが悪い、品質に欠陥がある、というのではなく、D&GRNが要求する牽引力や重牽引状態での勾配上Sカーヴ通過などが、メーカーの想定する使用法を超えているからなのです。まあ、ちょっと厳しい言い方をすれば、メーカーが、その模型の持っている性能を十分に引き出してくれていない、ということもいえますが‥

D&GRNに新規入線した蒸機のほとんどには、まずウエイトの積み増しが施されます。もちろん山岳線での実物らしい牽引を可能にするためです。これはギヤーボックスの両脇のボイラー内側に特注で造らせた私考案の5mm幅半月型ウエイトを並べてゴム系接着剤で貼るものです。蒸機として一番欲しい部分にきちんとウエイトが掛かるようにしてやるためです。多くの蒸機製品モデルはここががら空きなのでウエイトが同輪上に集中せず、「蒸機の模型は牽かない」となるのです。ここさえ改良してやれば、蒸機のモデルはゴムタイヤなど使わなくても、驚くような牽引力を発揮します。

もう一つ手直しすることが多いのは従台車の振り具合です。近年の過剰とも思えるディテールの濃密化で、従台車の左右動だけでなく、上下動も悪い製品が増え、1m線路を行ったりきたりさせるぐらいのコレクター的な方はそれで問題ないのでしょうが、勾配とカーヴの組み合わせで、おまけに大輌数のトレーラーの重量で車体の横動が制限されるD&GRNでは、従台車が突っ張って動輪の粘着力を相殺したり、ショートの原因になったり、は大いに困るのです。

そういう部分を、外から目立たせずにどう加工するか、これが頭のひねりどころですが、どこかを0.5mm削っただけで解決してしまう、という場合すらあり、買った模型はフルに働かせる、という当鉄道のモットーからすれば、これは極めて大事な加修です。

もっとも、実物の国鉄蒸機でさえ、受け取った現場では自分の受け持ち線区の条件に適合するよう、たちまちにいろいろなところを加工していました。私はかつて国鉄蒸機の修繕履歴簿を大量に閲覧して知ったのですが、メーカーで新造されて現場に配備された途端から、もうあちこち手がつけられていました。

一番模型的だったのは梅小路配備のC59戦後型で、テンダー側面前方上角を切り欠いて一段下げていました。いまの保存機である164号もかつて梅小路に配備されたことがあるので、その加工の跡が残っています。

これは、梅小路のC59は東海道の上り方面、草津あたりまでの通勤、通学列車で方向転換せずに戻ってくる運用がある。上り方へバック運転で出て行くのですが、そうするとC59はキャブの後ひさしが大きく突き出している上に、戦後型はテンダーの背が高いので、わたり線で大きく横揺れすると、このひさしの先がテンダーの角に接触するのだそうです。(ショートはしませんが)それで脱線でもされると一大事、と窮余の一策でこういう改修をやったのだそうです。

実物ですらこういうことがあるのですから、レイアウトで走らせるために機関車を購入しているD&GRNとしては、ちゃんと走らせるために手練手管を尽くすのは当然と思っています。

ところが近年の米国での真鍮製機関車は1機種をさまざまな時代設定や仕様に作り分けるため生産台数が10台とか20台とか、せいぜい多くとも40台を超えることがないため、予約をしておかないとまず入手が難しくなっています。

ほとんど瞬時に完売となるので、売り切れないうちに、とりあえず確保しておいて、順繰りにD&GRNでの使用に適応するよう加工していくのです。これで加工待ちの滞留機関車がいつも数台出来てしまうのですが、1台1台問題点をチェックしながら解決方法に頭をひねるのがまた愉しいのです。

それで、いよいよSP&S E-1を引っ張りだしてみましたら、このモデルはキャブの室内照明どころか、マーカーライト、機番表示器まで点燈するのです。これでいっぺんに「夜汽車」構想が頭をもたげました。機関車の方はウエイトを積み増したところ後部が少し下がったのか、ループ線の奥で1箇所、屋根の後部とテンダーの肩が触れてショートすることが分かりましたので、煙室内にもウエイトを積み増して、バランスを取る一方、キャブと主題枠の間のビス止めを+0.2mm,上方へずらし、屋根後端内側には薄い絶縁テープを貼りました。

従台車も大きい方の車輪のフランジがループのカーヴで1箇所だけ、火室の底板を押し上げ、そのために空転を起こす事が分かりましたので、その干渉の底板をモーターツールで切除して、従輪の動きに自由度をつくってやりました。こんな加工は外部からほとんど見えません。これでインテリアつきで文鎮のように重い25m級客車7輌を牽引しての勾配踏破が可能になりました。

実物のSP&S鉄道は日本ではほとんど注目する方もありませんが、グレート・ノーザンとノーザン・パシフィックの共同子会社で、ワシントン州の東端部で、シアトルに向かう両鉄道のメイン・ルートからオレゴン州の州都にして大港湾都市ポートランドに向かう路線でした。この鉄道の旅客輸送もその主なものはGNとNPのシアトル着発大陸横断特急の分割編成をポートランドに発着させる編成でした。E-1クラスが牽引している時代の写真をみると自前の荷物郵便車、座席車と展望寝台車でGN、NPのプルマン寝台車を挟んだ7,8輌編成、という、なんとかD&GRNの勾配でも4-8-4が単機牽引できるサイズの列車ですので、完全に正確な再現にはSP&Sの座席車、食堂車が足りないが、手持ちの客車で、なんとかそれらしい雰囲気に仕立てる事にしました。

客車のインテリア・ライトは以前にこのレポートに紹介しましたミニアトロニクス社のコンデンサー付きLEDパネルです。コンデンサーに蓄電して少量ずつ使うため、スタートして30秒後にはもうチラつきは無くなり、停電しても4分は明るさが保たれる、6輌編成でも300mAしか消費しないので、小容量のパワーパックでも機関車の走行を支障しない、という優れもの。

ただ、今回のようなプルマン寝台車や食堂車は車端に化粧室、喫煙室、個室、通路、調理室、配膳準備室など中仕切りが多く、コンデンサー部分がそこへ重なる当たりを避けるのに、中仕切りの、外から見えない上部を切除したり、パネルのプリント配線を一度切断して、コードでジャンパー線を作って、個室や通路の明かりを均等化したり、1台ほぼ1時間、毎晩2台ずつを目標に加工しましたが、金曜の夜遅く、ついに目標の全車が完了したときには、その美しさは実に感動ものでした。特に、窓から漏れる明かりが外のシーナリーを照らしていくのが、懸命にシーナリーを造ってきたことが報われた思いで、うれしかったです。

造れば造るほど、感動の種も増えてくる‐レイアウトって、そういう幸せがありますね。
スポンサーサイト
trackback: 0 | comment: --

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

ブロとも申請フォーム

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。